3Dアニメーション

アナグリフメガネ(左赤、右青)をかけてみると3Dに見えるアニメーションgifを作成してみました。

インシュリン分子

表示しているのはタンパク質の中でも最も小さいものの一つで(約50アミノ酸からなる)、小さ過ぎて教科書的にはペプチドと呼ぶべきかもしれない、しかし私達の体に無くてはならないホルモン、インシュリンです。こんなに小さいのに、血糖値の調節に極めて重要であり、この分子が体内で必要な時に作られない、または作られてもこの分子の受けて側に異常が生じると、糖尿病を招きます。

タンパク質としては小さくても、その構造は手書きが不可能なほど既に複雑です。アニメーションは同じ分子を3通りの方法で表示しています。分子が1回転するごとに、表示法を変更しています。今回は制御不能なgifとしてしまいましたが、再生・停止自在のビデオにしたいと考えています。

スティックモデル。全原子を表示し、共有結合原子間に線を引いてます。原子はたいてい色分けします。タンパク質は主に炭素C、窒素N、酸素Oからなります、水素Hも含まれていますが、水素はあまりにも多いので省略することが多いです。また、この図はインシュリンが2本のペプチド鎖が絡まって出来ていることを強調するため、それぞれの鎖の炭素を濃い色と薄い色で塗り分けています。

リボンモデル。2次構造と呼ばれる部分的な規則的構造を、αへリックスはリボン、βストランドは矢印で示しています。現実の分子とは程遠い表示ですが、タンパク質全体の折れ畳み方が良く分かるので、全体像を把握したい時によく使われます。

表面モデル。各原子を固有の大きさの球で示す空間充填モデルと似ており、さらに表面を滑らかにしています。各原子や折れ畳み方の情報はほとんど読み取れませんが、現実には原子間には線が引かれておらず、リボンや矢印も存在していないので、実在している分子に最も近い表示法といえます。