2024学生実習1週目

Practical training (biochemistry) 2024 started. This week we prepared materials for recombinant protein expression using an E. coli sysytem to produce an enzyme.

 私とイニシャルが同じ”O”先生とコンビで指導する学科3年生の学生実習が始まりました。約3週間、午後は原則学生実習室で過ごします。昨年度、実験レイアウトを再編しました。O先生とコンビで組換えタンパク質発現、発現タンパク質の機能解析、および構造解析に向けた結晶化実験を行うのは、今年が2年目です。

 他の実習内容を詳細にお尋ねし、昨年度のミッション①=目的遺伝子のクローニングとベクターへの導入と宿主細胞の形質転換はスキップし、残る4つのミッション②宿主細胞での組換えタンパク質発現、③発現タンパク質の活性測定、④酵素反応速度論、⑤立体構造解析に向けた結晶化実験を順次実施していただくこととしました。①は「教室で学んだ遺伝子工学を実験室で実践する」ために、やりがいのあるメニューですが、通年の実習シリーズ初期に行う実験としてはやや難易度が高いこと、関連した遺伝子操作実験は後の実習でも行う予定である等の理由で、今年度はスキップすることとしました。それでも②宿主細胞での組換えタンパク質発現に必要な準備をしている間に、第1週目の実習はあっという間に終了しました。今週のメニューは以下の通りです。

 (0)ガイダンス
 (1)培地調製とピペットマン操作確認
 (2)形質転換済み大腸菌のプレート上でのレプリカ作成
 (3)レプリカを作成した大腸菌のコロニーPCRと遺伝子分析用アガロースゲル作成

 いずれも初歩的な実験ではありますが、座学で知識と知っていることを実践するには、一定の壁があります。教員の実験内容説明を聞きながら、TA(ティーチングアシスタント)のサポートを受けながら、そして何より実習に取り組む3年生の実験班員で情報を共有し、協力して作業を進めることで、1週目の実験は無事に進みました。

 特に、組換えタンパク質発現に仕組みには皆さん興味を持つ一方で、慣れない専門用語でシステムの構成の説明を受けて戸惑った様子が見られましたが、実験終了後、理解できたこと、理解できなかったことを整理して教員とディスカッションをして、理解できなかった部分をフォローしてもらい、実験内容をより深く正しく理解しようとする学生が多数居ました。来週からいよいよ実験内容が本格化します。実験がうまくいきますように。

配布された実験器具の確認
O先生による実験開始前の内容説明
クリーンベンチ内での無菌操作
タンパク質発現システムに詳細に関する議論

3件のコメント

コメントは停止中です。