Our research article, the structural and functional study on an archaeal DNA replication protein complex has been published into an international scientific journal. Our graphical abstract covers the latest issue of the journal. The article has been pulished on-line a half year ago, and now it is published on the printed version of “Nucleic Acids Research”.
直前の記事で紹介させていただいた「大学紀要における教育研究論文」の掲載も初めての経験なら、本記事で紹介する生命科学研究論文のグラフィカルアブストラクトが学術雑誌の表紙に採用されたのも、初めての経験です。
この研究では、アーキア(古細菌)が、どのようにして遺伝情報を担う DNA を複製するのかに関する新たな事実を解明しました。アーキアの必須酵素である DNA ポリメラーゼ D(PolD)が鋳型となる二本鎖 DNA を解くヘリカーゼ複合体と直接結合することを結晶構造解析によって原子レベルで解明し、その相互作用の結果、ヘリカーゼ活性が促進されて、新生鎖の合成が協調的に進むことを、緻密な生化学実験を積み重ねることで実証しました。アーキアでレプリカーゼとヘリカーゼの機能的な相互作用を証明したのは初めてのことです。表紙はその様子を分かりやすく示しています。

本研究は、核酸生物化学の国際専門誌上で”Breakthrough article”(top 2-3%のインパクトを持つ成果との位置づけ)に選出され、オンライン版で2021年9月27 日に先行発表されていましたが、4月22日付で本掲載となりました。この研究により、アーキアおよびアーキアとよく似たシステムを持つ、我々ヒトを含む真核生物のDNA複製の全貌解明にむけて、また一歩大きく前進しました。
前回の記事で「今年度一報目のアクセプト」と紹介していた論文は、思っていたよりも早く雑誌に掲載されそうですので、改めて紹介させていただきます。
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